仙台管区気象台は28日、磐梯山で火山性地震が増加し、火山活動が高まっている可能性があると発表した。震源は山頂の北西約2キロ、深さ約2キロと推定される。火山活動がさらに高まれば、噴火警戒レベルを現状の最も低い1(活火山であることに留意)から、2(火口周辺規制)に引き上げる可能性があるとしている。


 磐梯山の噴火は1888(明治21)年に記録がある。レベル2に引き上げられれば、噴火警戒レベルが導入された2009年以降、初めてとなる。火山活動が活発化した2000年には2回、現在の噴火警戒レベル2に相当する臨時火山情報が出された経緯がある。想定火口は福島県の猪苗代町、磐梯町、北塩原村にまたがる。

 気象台によると、火山性地震は27日正午ごろから増加し、28日午後5時現在で601回(速報値)に達しており、これまでにない地震活動となっている。地震の規模や震源に大きな変化はなく、地震活動が継続しているという。

 地殻変動および監視カメラによる観測では特段の変化は見られず、火山性微動も確認されていないという。山体北側火口や沼ノ平付近では、従来から噴気や火山ガスの噴出が見られるため、気象台は立ち入りに関する地元自治体の指示に従うよう呼びかけている。

福島民友新聞 2022年12月29日 08時40分
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