岸田文雄首相が、来年度以降五年間の防衛力整備に関する総経費について、総額約四十三兆円とすることを表明した。その背景となっているのが、「GDP(国内総生産)比で2%」という目標である。また、敵対する相手国のミサイル発射基地などをたたくことで、日本への攻撃を阻止しようとする反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有についても、自民党と公明党で合意がなされた。
 反撃能力の保持には、日本への攻撃に対して反撃能力があると示すことで、攻撃を思いとどまらせ抑止力向上につなげる狙いがある。
 果たして反撃能力の保持は、抑止力になるのか?
 抑止において重要なのは、相手にとって耐えがたい反撃能力を持つことと同時に、相手がその能力を脅威と認識するかどうかにある。日本の反撃能力が、相手にとって決定的な脅威とならない限り、抑止は成立しない。反撃能力の保持は不用意な挑発行為となり、相手国による攻撃能力増強に理由を与えてしまう。
 国際政治学者の遠藤乾は「東京新聞TOKYO Web」掲載のインタビュー(「相手を脅して抑止するのは幻想だ」12月15日)の中で、日本の軍備増強の必要性を説きつつ、「反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有は不要だと思う」と述べる。

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2023年1月1日 07時00分
東京新聞

https://www.tokyo-np.co.jp/article/222340