福岡市東区の筥崎宮(はこざきぐう)で3日、新春の神事「玉せせり」があった。新型コロナウイルス感染対策のために2021、22両年は中止した、男たちが木製の玉を奪い合う行事が3年ぶりに復活。参拝客から拍手が送られた。

 約500年前の室町時代に始まったとされ、豊作と豊漁を願う。近くの玉取恵比須神社で神事を行った後、約250メートル離れた筥崎宮の楼門まで直径約28センチ、重さ約8キロの「陽玉(おだま)」と呼ばれる木製の玉を競り子が奪い合う。

 玉を触ると幸運がもたらされるといい、陸(おか)組と浜組に分かれた締め込み姿の男衆約200人は勢い水を浴びながら「オイサッ」の声を上げて競り合った。今年は豊作をもたらすとされる陸組が勝ち、神職に玉を納めた。陸組で、地元消防団の分団長を務める小山龍蔵さん(49)は「名誉なこと。新型コロナが収束する一年になってほしい」と話した。【土田暁彦】

毎日新聞 2023/1/3 18:31(最終更新 1/3 18:31) 388文字
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