子どもが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とインフルエンザに重複感染すると、病状が深刻なものになりやすいことを示すデータが、
米疾病対策センター(CDC)発行「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」2022年12月16日号に掲載された。

この報告に関連して、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターのMarc Siegel氏は、
「昨シーズンのインフルエンザ流行は小規模だったため重複感染する小児は少なかった。しかし今シーズンは劇的に増加する可能性がある」と述べている。

また、「インフルエンザに罹患している時にはCOVID-19にかからないという保証はない」と語り、警戒を呼びかけている。

CDCのKatherine Adams氏らは、250以上の急性期病院が参加しているインフルエンザ入院モニタリングシステム「FluSurv-NET」、
およびCOVID-19に関する同様のシステム「COVID-NET」のデータを用いて、昨シーズン(2021年10月〜2022年4月)に
インフルエンザとCOVID-19に重複感染した小児(18歳未満)の実態を調査。

この期間にインフルエンザで入院した小児は575人が記録されており、そのうち32人(6%)はCOVID-19との重複感染だった。
重複感染患児はインフルエンザのみの患児よりも重症度が高かった。

院内死亡は記録されていなかったが、シーズン中のインフルエンザ関連死は44人報告されており、これにはCOVID-19を重複感染した小児7人(16%)が含まれていた。

インフルエンザワクチンの接種状況を比較すると、インフルエンザのみに感染した患児では42.4%がワクチンを接種していたが、重複感染群では17.4%にとどまっていた(P=0.02)。
ワクチン接種のリスクを心配する保護者もいるが、そのような人へのアドバイスとしてSiegel氏は、「子どもにワクチン接種を受けさせるか否か、小児科医と徹底的に話し合う必要がある」と語っている。

また同氏は、今後は毎年、インフルエンザとCOVID-19のワクチン接種を受けることが一般的になると考えられると予測。
その上で、「小児の死亡者数は成人に比べれば少ない。そうではあるが、ワクチン接種に伴うリスクはウイルス感染時のリスクよりもはるかに低い」と述べている。

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