訪米中の岸田文雄首相は13日午後(日本時間14日朝)、ワシントンのジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究所(SAIS)で「歴史の転換点における日本の決断」と題して講演した。米国が離脱したまま発足した「環太平洋経済連携協定」(TPP)について「米国が戻ってくることが決定的に重要だ」と復帰を呼びかけた。

 TPPはモノやサービスの貿易自由化を目指す枠組みで元々は米国が主導した。しかし、2017年、米国第一主義を唱え、二国間交渉を重視したトランプ大統領(当時)が、「交渉から永久に離脱する」との大統領令に署名した。同年に米国を除いた11カ国で大筋合意し、18年に署名された。

 首相は講演で「地域の経済秩序の根幹を形成するのは、物品やサービスの市場アクセスを含む枠組みだ」と主張。英国や中国、台湾がTPP加入の意思を示していると指摘して、米国の復帰を求めた。「この地域に皆が繁栄を享受できる公平な経済秩序を構築するためにはどうしたらよいのか、米国の皆さんと何ができるか、一緒に考えていきたい」とも語った。

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 相手の領域内のミサイル発射拠点などを直接攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有や防衛費の大幅な増額などについても取り上げた。

 「日米同盟の強化にとっても…(以下有料版で,残り489文字)

朝日新聞 023年1月14日 7時12分
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