3年目となる大学入学共通テストが14日、始まった。昨年はスマートフォンを使った問題流出事件が起き、今年は入試不正の防止対策が厳しくなった。

【写真】参考書を手に、ぎりぎりまで勉強する受験生たち
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 「スマートフォン、ウェアラブル端末などの電子機器類を持っている人は、全て机の上に出してください」

 東京大の教室で監督者が呼びかけると、受験生は机の上で一斉にスマホなどの電源を切って、カバンにしまった。今年から科目の試験開始前に行うことがルール化された。東大で受験した私立高3年生(18)は「不正行為が自分の代でも起きたら、これまでの努力が台無しになるような気がする。注意喚起はよかった」と理解を示した。

 一方、京都大で受験した私立高3年生(18)は「不正対策はかなり厳格で、会場はピリピリした空気になった」と話した。私立高3年の男子生徒(17)も「監督者がコツコツと靴音をたてて巡回するのはプレッシャーで、席近くの壁際でずっと警戒していたのにはまいった」と振り返った。

 大学入試センターによると、山口大工学部(山口県宇部市)では火災が発生し、午後1時からの国語の試験が30分繰り下げられた。

 県警などの発表によると、昼休み中の午後0時20分頃、試験場とは別の研究棟で実験器具が燃え、火災報知機が作動したという。すぐに消し止められ、約550人の受験生は試験場で待機した。

 今年の大学入学共通テストでは、表など複数の資料を読み解く問題が目立ったほか、時事的な話題も出題された。

 世界史Aでは、「新型コロナウイルス」の用語が共通テストで初めて登場した。会話文のなかで、「新型コロナウイルス流行の影響で船便がなかなか届かないのでは」といったセリフがあった。

 政治・経済などでは、成人年齢の18歳への引き下げを受け、2021年に改正された少年法や、政府・日銀が昨年約24年ぶりに円買いで実施した「為替介入」に関する設問もあった。英語のリスニングでは、友人同士の会話を聞き、仮想空間にあるアバター(分身)画像を選ぶ質問が出た。

 また、世界史Bでは中国の官吏登用試験「科挙」が「科拳」と誤って印刷されるミスがあり、問題訂正文が配布された。

Yahoo!Japan/読売新聞オンライン 1/14(土) 21:48配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/be80feb2b4ea5b86863685a5ebedeb38f517d425