鶏卵価格が高止まりしている。卸大手「JA全農たまご」によると、1キロ・グラムあたりの卸売価格(東京地区、Mサイズ)の月間平均は16日までで269円と、前年同月に比べて約8割も高くなっている。鶏の飼料価格の上昇に加え、高病原性鳥インフルエンザの感染拡大で採卵鶏の殺処分数が過去最多となっていることが要因だ。

 東京地区の16日の卸価格は275円で、前週から1月としては最高値となっている。飼料費の高騰や外食需要の回復で一時300円をつけた昨年12月からは下がっているが、過去5年の1月の月間平均より126円超も高い。大阪、名古屋、福岡の各地区でも16日の卸価格は280円だった。

 農林水産省によると、鳥インフルによる2022年度の殺処分数は16日時点で23道県の1102万羽に達した。このうち採卵鶏は1009万羽で、国内飼育数の7%に相当する。農水省は今月10日付で日本養鶏協会と日本卵業協会に対し、卵の安定生産と家庭向けの優先供給を求める要請文を出した。

 野村農相は13日の記者会見で、今後の価格について「見込んでいたより高い水準で推移していく」と述べた。価格が比較的安定していることから「物価の優等生」とされてきた鶏卵だが、当面は高値が続くとの見方が強まっている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4e81b7096342d0ee564db2f7c569fc383ce8fe56