読売新聞 1/18(水) 5:00

コロナ3年 正常化への道<4>
 東京駅近くの高層ビル「東京ミッドタウン八重洲」の39~45階に4月、伊高級宝飾品ブランド系列の「ブルガリホテル東京」が国内初進出する。宿泊費は日本で最高水準になる見通しで、国内外の富裕層獲得を狙う。

 ビルを運営する三井不動産はホテル事業の収入がコロナ禍前の9割程度まで回復した。菰田(こもだ)正信社長は「欧米からの旅行需要がすごい。ビジネス出張の減少を補って余りある」と手応えを語る。

全国の観光地が訪日客らでにぎわい始めている(昨年12月26日、神奈川県箱根町の大涌谷で)
 国内は、コロナ後を見据えた高級ホテルの開業ラッシュだ。オリックスグループは2023年冬、全客室に露天風呂を備える高級旅館「佳(か)ら久(く)」を静岡県熱海市に開く。神奈川県箱根町にある同ブランドの旅館は、宿泊料は繁忙期には10万円を超えるが、宿泊者の2割を訪日客が占め好調だ。藤井育郎(なるお)総支配人は「日本流のぜいたくを体験したいという外国人客が増えている」と話す。

 訪日観光客は19年に3188万人に達し、消費額は約4・8兆円と国内総生産(GDP)の約1%に上った。コロナ禍に伴う入国制限でこれがほぼ消えた。観光産業は宿泊、運輸、小売りなどと裾野が広く関連産業の従事者は500万人にのぼるとされ、幅広く打撃を受けた。

 国際通貨基金(IMF)によると、各国の経済成長率はコロナ感染が拡大した20年に大きく落ち込んだが、米国やユーロ圏は翌21年に5%以上伸びる急反発をみせた。日本は1%台の成長にとどまり、回復過程で大きく出遅れた。

 大和総研の神田慶司シニアエコノミストは「日本はワクチンの接種が遅れ、その後の経済正常化の判断も遅かった」と指摘する。日本は厳しい水際対策を先進7か国(G7)で最も遅くまで続け、経済界からは「鎖国状態」(経団連の十倉雅和会長)とやゆされた。

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