医学誌「ザ・ランセット・ヨーロッパ」に掲載された新たな研究結果で、妊娠中のSARS-CoV-2(いわゆる新型コロナウイルス)感染と、
胎盤の病変(血管灌流障害 を原因とするもの)に関連があることが明らかになった。これにより、胎児の生育不全、陣痛前の破水、
流産の割合が増えるおそれがあるという。また、胎児MRI検査により、胎児自身の臓器でも、血管の損傷が認められるケースがあった。

新型コロナウイルスに感染した妊婦は、入院や、集中治療室(ICU)への収容のリスクが高くなることは、今では定説になっている。

その一方で、子宮内で胎児や胎児周辺の組織がこうむる悪影響については、出産前の妊婦を対象とした具体的な研究が非常に少ない。
さらに、新型コロナウイルス感染後の胎盤や胎児に生じる変化について、変異株ごとに分類して研究したものとなると、その数はさらに少なくなる。

ウイーン医科大学の研究チームは今回、この非常に重大な研究の空白地帯を埋めようと、出生前MRI検査を用いて、
妊娠中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の陽性判定を受けた女性の胎盤や胎児の状態を検証した。

研究チームは、胎児MRI検査を実施することで、胎盤組織に関する直接的な情報を得て、胎児の臓器の状態を細かく分析することができた。

https://forbesjapan.com/articles/detail/60555