2/9(木) 19:56配信 産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/ce0b3d9428cbf67d4135f8de70b787e36a531c81

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は9日、東京都内で産経新聞のインタビューに応じた。新型コロナの感染症法上の位置づけを5月8日に現在の2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げることについて「もうそろそろ社会経済活動を再開していく時期に来ている」と言及した。焦点のマスク着用に関しては、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある人が乗り合わせる電車などでは「当分、マスクを続けた方がいい」と指摘した。

尾身氏は、5類移行後の医療提供体制を巡り、「地域での連携が重要になってくる」と強調。高齢者施設などでのクラスター(感染者集団)発生時に支援に当たる医療機関を事前に定める必要性などを訴えた。

政府は3月上旬をめどに医療費の自己負担などについて具体的な方針を示す方針だ。尾身氏は「(自己負担を)急にやれば混乱を生みかねないので、少しずつ段階的にやった方がいい」と述べた。

尾身氏は3年間の新型コロナ対応を振り返り、最も緊張した場面として、令和3年夏の東京五輪・パラリンピックを挙げた。専門家の有志は「無観客が望ましい」とする提言を発表した経緯がある。「専門家として言うべきことを言わないと歴史の審判に耐えられないと思った」と語った。

また、日本の人口当たりの死者数が海外と比べて少なかった理由として、国民の感染対策への協力や、保健所や医療機関の努力などを挙げた。