>>35
 アンジェスの財務状況がここまで悪いのは、創業以来19年で、承認された薬品が遺伝子治療薬コラテジェン(一般名・ベペルミノゲン ペルプラスミド)のみであることによる。
 コラテジェンは2019年9月に発売されたが、ごく小規模の臨床試験の結果をもとに、何度も申請却下された挙げ句、5年間の条件・期限付きで承認されており、さらに、データが乏しく現時点では有効性の評価が限定的であるという事情があったため、中央社会保険医療協議会(中医協)が決めた薬価は1回60万円であった。

 60万円というと高いと思うかも知れないが、そうではない。この手の新薬の薬価は1000万レベルであることが普通なので、60万円という設定自体、いかに期待されていなかったかというようなもので、実際、臨床現場ではほとんど使われていないという。
 そのため、発表直後、アンジェスの株価は4割も急落している。