新型コロナウイルスに感染後に重症化するメカニズムの一端を、横浜市立大の研究グループがまとめた。
発症後、早い段階で肺の細胞(肺胞上皮細胞)が死に、その細胞から放出される物質が重症化の引き金になっている可能性があるという。

2020年1月〜22年1月、同大付属病院に入院していた重症患者30人と、軽症・中等症患者18人について、
血液や、肺の中を洗浄した液に含まれる物質を分析。

その結果、急性呼吸促迫症候群(ARDS)と呼ばれる重症呼吸不全の患者では、細胞が死ぬ際に放出し、周りの組織に炎症を引き起こす物質が増えていることを確認した。

体内のウイルス量がピークを過ぎても、こうした患者は肺の炎症や肺水腫などの症状が進行する。
研究グループによると、重症患者の肺の細胞では、発症から数日の早い時期に組織が壊れる強い傷害がみられることが、過去の研究でわかっていたという。

今回の研究では、肺の細胞が死ぬ際に炎症を引き起こす物質を放出することで、
周りの組織に傷害を引き起こす悪循環が起きている可能性があることが明らかになった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9bd7f67322230ee472e5b2240e724a8230ea2b5f