https://www.yomiuri.co.jp/national/20230210-OYT1T50335/
2023/02/11 05:00

NPO法人「難病患者支援の会」(東京)による臓器あっせん事件で、NPOが昨年ベラルーシに案内した日本人患者3人のうち、肝臓と腎臓の同時移植を受けた会社役員の男性(当時45歳)も手術後に死亡していたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は死者が2人に上ったことも踏まえ、NPOの立件に踏み切ったという。

 警視庁幹部によると、NPO理事長の菊池 仁達ひろみち 容疑者(62)(臓器移植法違反容疑で逮捕)は、厚生労働相の許可を得ず、東京都内の40歳代男性にベラルーシでの肝臓移植をあっせんした疑い。男性は昨年2月の手術後、容体を悪化させ、帰国後に家族から改めて生体肝移植を受けたが、昨年11月に亡くなった。

 捜査関係者によると、3人のうち、肝臓と腎臓の同時移植を受けた男性は、移植費用としてNPOに約8500万円を支払い、昨年5月にベラルーシに渡航した。同9月1日に手術を受けたが、細菌による腹膜炎を起こし、同28日に現地で死亡していた。

 関係者によると、男性は肝硬変が悪化して肝臓と腎臓の移植が必要となった。ホームページでNPOの活動を知り、NPOの事務所を訪れると、菊池容疑者はベラルーシの病院の写真を示し、「帰国後は大学病院に入院できる」などと移植を勧めたという。

 男性は着手金として300万円、預かり金として8200万円をNPOの口座に振り込み、NPOの案内で現地に渡った。臓器提供者(ドナー)は現地で亡くなった人で、病院からは手術が成功したと説明されたが、まもなくして容体が急変したという。

 現地の病院は取材に、「(男性は)当院で移植手術を受けた後、複数の疾患のため、困難な経過をたどった」と答えた。

 日本移植学会所属の移植医によると、複数の臓器の同時移植は、成功すれば劇的な回復が見込まれるが、手術が長時間かかり出血量も増えるため、感染症などの危険が高まる。また、同時移植が必要な患者は基本的に重症化しており、「渡航自体にもリスクがある」(移植医)という。

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