※2023.02.10 16:00  週刊ポスト

 ついにフィリピンから日本に強制送還された連続強盗団グループの主犯格とされる容疑者たち。彼らのルーツとなるのは、あまりに狂暴なる暴力組織だった。フリーライターの鈴木智彦氏がレポートする。

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 広域強盗団を指揮する暴力団関係者がルフィを名乗り、そのうちの1人が北海道にある六代目山口組中核組織・弘道会傘下の福島連合の関係者だったと聞き、過去の取材を思い出した。2016年に北海道でインタビューしたナマコ密漁団リーダーが「福島連合の密漁団のウエットスーツにルフィのイラストが入っていた」と話していたからだ。

 ルフィは『少年ジャンプ』に連載中の大人気マンガ『ONE PIECE』の主人公「モンキー・D・ルフィ」を指す。仲間と海賊王を目指す冒険活劇で、暴力団員にもファンが多い。とある指定暴力団トップもこのマンガを読むため、毎週『少年ジャンプ』を買っているという。

 密漁団が海賊を気どったなら、なかなかのブラック・ユーモアである。

ヤクザの自宅に盗み
 福島連合は元々テキヤ系団体で、初代弘道会の準幹部として山口組入りした。その後、六代目山口組・司忍組長の出身母体である弘道会の金看板の下で、北海道の大組織に成長した山口組の三次団体だ。

 連続強盗団のボス格たちは、いずれも北海道出身者で、道内暴力団と関係が深い。その捜査で、オレオレ詐欺の黒幕だった事実も明るみに出ており、被害総額は60億円ともいわれる。北海道で取材をすると、ルフィ一味が、かつて空き巣・強盗をシノギにしていたらしい……と話す証言者が見つかった。相手は同じく暴力団関係者だが、山口組などはマスコミとの接触を表面上堅く禁じており、組織内で問題視されると命取りになるので所属はぼかす。

「狙ったのがヤクザだから表に出ないわけ。以前、北海道でヤクザの自宅に盗みに入ったり、強盗する事件が頻発した。札幌を中心に長万部など、地方の小さな街の関係者まで被害にあった。被害者には福島連合の大幹部もいたんだけど、ちょうど親分から金を用立てするよう頼まれ、『そんな金はないんです』と断った直後に2000万円やられた。

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