徳島県藍住町の学校給食用牛肉の納入業者選定を巡り、各社の納入見積額のうち最低価格を特定業者に漏らしたとして、大阪府警と徳島県警は13日、副町長、奥田浩志容疑者(64)と、前町議会副議長、平石賢治容疑者(46)を官製談合防止法違反と公競売入札妨害容疑で逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

平石容疑者は別の収賄事件で起訴されている。府警などは13日、食肉販売会社「阿波牛の藤原」(徳島県松茂町)の取締役、藤原誠容疑者(44)も公競売入札妨害容疑で逮捕した。

捜査関係者などによると、藍住町の学校給食は食材ごとに毎月、納入額の見積書を提出させ、最低価格を提示した業者と月ごとに随意契約を結んでいる。奥田容疑者は各社の見積額を確認して最低価格を把握、平石容疑者を通じ藤原容疑者に伝えたとみられる。藤原容疑者の会社はその金額を下回る見積書を出していた。

捜査関係者によると、奥田、平石両容疑者の逮捕容疑は共謀して2020年、藤原容疑者側に見積額を漏らし、納入契約を締結させた疑い。

平石容疑者は大麻密売組織リーダーとみられる男に、捜査当局から町に捜査関係事項照会があった事実を漏らし、謝礼を受け取ったとして昨年12月に逮捕され、加重収賄罪などで起訴された。 

奥田容疑者は1982年に町職員に採用。町教育委員会社会教育課長や出納室長などを経て18年に副町長に就任した。現在2期目。平石容疑者は08年の町議選で当選し20年3月から副議長。逮捕後に町議を辞職した。〔共同〕

日本経済新聞 2023年2月13日 12:02 (2023年2月13日 12:34更新)
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