読売新聞2023/02/16 05:00

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20230215-OYT1T50295/

政府はデジタル分野の人材を育成するため、東京23区内の大学の定員増を認めない規制を2024年度にも緩和する方針を固めた。デジタル系の学部・学科に限り、定員を増やせるようにする。IT人材が不足するなか、政府は理系300学部の新設や定員増を支援する事業を進めており、規制緩和により動きを加速させたい考えだ。

16日に開かれる内閣官房の有識者会議で示される。

特例を認める要件には、
〈1〉高度なデジタル人材を育成する情報系学部・学科の定員を増やす
〈2〉一定期間後には増加前に戻すことを前提とする
〈3〉学生が地方企業でインターンシップ(就業体験)する

など地方の就職促進策を組み込む――を入れる方向だ。政府は会議での取りまとめを受け、必要な制度改正を行う。

大学の規制を巡っては、地方創生の観点から、18年に東京23区の大学が今後10年間定員を増やすことを原則禁止する法律が成立した。背景には地方の大学の定員割れ問題があり、16年に全国知事会が「大学の東京一極集中の是正」を政府に要望していた。

これに対し、有力私大などが加盟する日本私立大学連盟や東京都は「時代に対応した人材を育成できない」などとし、早期撤廃や例外措置を設けることを求めている。

政府は私立や公立大での理工農系学部の新設や拡充を支援する計画で、3月中に公募を開始する予定だ。計画の実現には、東京23区の大学の規制が課題の一つとなっていた。