2023年2月16日の日本経済新聞朝刊1面に「訪日客、進む消費回復」という記事がありました。新型コロナウイルス禍で落ち込んだインバウンド消費の回復が進む見通しです。どんな分野の消費が戻り、何が課題なのでしょうか。

ここが気になる
23年1月の訪日客数は約150万人でした。国・地域別の最多は韓国の56.5万人でコロナ前と比較して73%、米国も85%まで回復しました。一方、中国本土は3.1万人の96%減。入国時検査の義務付けといった厳しい水際対策が響きました。中国を除けばコロナ前の76%まで戻っています。23年のインバウンド消費は22年より2兆円超上積みされる可能性があります。

インバウンド消費の受け皿の一つとなっているのが百貨店です。東京・新宿の伊勢丹新宿本店では訪日客への高級ブランドの販売が好調。「台湾や東南アジアからの客が売り場で特に目立つ」といいます。1月の既存店売上高は三越伊勢丹を筆頭に、百貨店大手5社すべてで2桁以上増えました。

懸念材料は人手不足です。ホテル業界では、清掃や配膳を担う従業員が足りず、客室の上限まで予約を取れない施設もあります。米ヒルトンは日本で運営するホテルのアルバイト採用条件を緩和しました。居酒屋チェーンのつぼ八も、短期でも働ける求人を出す対策を取ります。急回復するインバウンド需要を取りこぼさない施策が求められています。

日本経済新聞 2023年2月16日 7:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL15B8E0V10C23A2000000/