3年前、福島県三春町で故意にひき逃げして2人を殺害した男の控訴審判決で、仙台高裁は一審の死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡しました。

判決を受けたのは、住所不定・無職の盛藤吉高(もりとう・よしたか)被告(53)です。

盛藤被告は2020年5月、三春町の国道わきで清掃活動をしていた男女2人をトラックで故意にひき逃げし、殺害したなどとして一審の裁判員裁判で死刑判決を受けましたが、「刑が重すぎる」として控訴していました。

16日に仙台高裁で開かれた控訴審の判決公判で、深沢茂之裁判長は、「被告は漠然とした不安から刑務所に入りたいと考えて犯行に至ったもので、殺意はあったが、その意欲までは認められない」などと指摘しました。そのうえで「生命軽視の態度は明らかだが、甚だしく顕著とまでは言えず、死刑がやむを得ないとまでは言えない」として、一審の死刑判決を破棄し、無期懲役を言い渡しました。

刑事法学を専門とする福島大学の高橋有紀准教授によりますと、一審の裁判員裁判で下された死刑判決が二審で覆されたのは、東北地方では初めてです。

【事件の動機】
刑務所から出所間もない被告が、新しい人間関係や未経験の解体土木作業への漠然とした不安から、長く刑務所に入っていたいと考えて犯行に及んでいて、身勝手かつ自己中心的だが、不特定の人を殺害すること自体を目的とした無差別殺人の犯行や、利益を得ようとした事案とは異なる。

【事件の計画性】
被告は具体的な犯行の場所などを想定しておらず、計画性は犯行の直前に考えられたに過ぎない、場当たり的で稚拙な面がある。

【殺意】
長く刑務所に入るという目的が達成できればよかったのであって、他人を殺害するために計画を立てたわけではない。殺意はあるものの、殺害の意欲までは認められない。生命軽視の度合いは甚だしいとはいえるものの、顕著であったとまでは言い難い。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/331441?display=1




刑務所に戻りたい……出所して2日後、盗んだトラックで2人をひき殺した中年男の素顔
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/07070557/?all=1

 5月31日午前7時55分頃、福島県三春町の国道288号で、ボランティアで清掃活動中だった男女がトラックにひき逃げされ、死亡するという事件が起こった。現場は、ほぼ直線の片道一車線だった。亡くなったのは、会社員の橋下茂さん(55)と同じく三瓶美保さん(52)である。

 この日、地元の清掃活動「桜川をきれいにする会」のメンバー約40人は、7時頃から草刈りやゴミ拾いをしていた。2人は町内会の班長になったのを機に、初めて清掃活動に参加。ゴミ拾いをしながら、路肩を一列で歩いていたところを、車体をガードレールに擦りながら加速してくる準中型トラックにはねられ、搬送された病院で死亡が確認された。

 所轄の田村署は通報を受け、ただちに緊急配備。トラックの行方を追っていたところ、同日午前中に、現場から南に約15キロ離れた須賀川市内で、車体前部が破損し路肩に止まっていたトラックを発見。運転席にいた、盛藤(もりとう)吉高容疑者(50)を、道路交通法違反(ひき逃げ)、中型免許を持っていなかったことから自動車運転死傷行為処罰法違反(無免許過失運転致死)の容疑で緊急逮捕した。地元記者が解説する。

「容疑者は逃げた理由を『怖くなって逃げた』と供述していた。そのため通常のひき逃げ事件だと思っていました。警察も翌日には福島地検に送検したほどですから。しかし、容疑者は事件の2日前に出所したばかりであること。『出所後の生活に不安があり、刑務所に戻った方がマシだと思った』『(ひき逃げの対象は)誰でもよかった』などと話し始めたことから、警察は捜査に交通部だけでなく、殺人事件を担当する刑事部も投入したんです」

 盛藤容疑者は、5月29日に出所したばかりだった。そのまま郡山市の知人宅に滞在し、知人の経営する会社で働くはずだった。しかし、31日朝に知人のトラックを盗んだ。およそ5キロ離れた現場に向かい、国道を歩く2人を発見する。いったんは通り過ぎ、Uターンして2人を襲ったのだ。



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