大手グルメサイト「食べログ」の評点を決める「アルゴリズム(計算手順)」の変更について、独占禁止法違反に違反すると認定した昨年の東京地裁判決の詳細が明らかになった。アルゴリズム変更の内容も記載されている。食べログは不正防止を理由に、評点算出の詳細を公開しておらず、その一端でも公になるのは異例だ。

裁判では、焼き肉・韓国料理チェーン店を展開する「韓流村」(東京)が、独自調査をもとに「チェーン店という理由で一律に評点を下げられたのは不当」として、食べログを運営する「カカクコム」(同)を訴えた。東京地裁は昨年6月、食べログ側に3840万円の賠償を命じた。

ただ、食べログ側が閲覧制限を申し立てたため、当時は結論しか公にならなかった。地裁は今年1月までに非公開とすべき範囲を確定させ、朝日新聞は一部が黒塗りの全文を確認した。

■複数基準で判断、「対象外」も
詳細版の判決によると、食べログは2019年5月にアルゴリズムを変更。他の調整とあわせ、チェーン店のみを対象に一定の「調整」をしていた。

チェーン店かどうかは「同一屋号かつ同一運営主体」など複数の基準を設けて判定。一方、ファミリーレストランなど、対象外になったものもあった。

「認知度の調整」という表現が使われていたが、それ以上の詳しい内容や狙いは、判決からは読み取れなかった。判決は、この結果として「原告の店の評点が下落し、食べログ経由の来客も減少した」と認めた。

独禁法違反の認定においては、食べログが評点を「投稿者の主観的評価をもとに算出した数値」として公表していたのに、問題の調整は「チェーン店かどうか」が基準だったことを重視した。対象店に事前に変更を知らせていないことなども考慮し、優越的な立場にある食べログによる「不当な変更」だったと結論づけた。

地裁判決に対しては、原告と被告の双方が控訴している。(田中恭太)

朝日新聞社2023年2月17日 14時00分
https://www.asahi.com/articles/ASR2K4CYHR2JUTIL02T.html