東京都は16日、明治神宮外苑地区の再開発事業の施行を17日付で認可すると発表した。
認可により、既存施設の解体など具体的な事業の着手が可能になる。解体に向け仮囲いの設置作業は1月下旬に始まっていた。
 都によると、新しい施設の建設は2024年度に始まる。秩父宮ラグビー場と神宮球場の場所を入れ替えて建て替え
185メートル、190メートルのオフィスビルも建設する。高層建築物が並び、外苑の景観が一変するほか、事業者の見通しで
743本の樹木が伐採される。35年度に完了し、総事業費は3490億円。
 計画では、環境保全策などを巡り、東京都の環境影響評価(アセスメント)の審議会で議論が長期化。事業のスケジュールも
当初から遅れたが、昨年12月26日の審議会で収束すると、事業者は翌日、事業認可を申請していた。
 だが、文化財保護の提言を行う日本イコモス国内委員会は内容に不備があるとして再審議を要求。対応について審議会で
議論が続いているほか、環境悪化を懸念して超党派の国会議員連盟なども計画の見直しを求めている。
 都再開発課の担当者は「法的に認可の基準を満たしている」と認可理由を述べた。(森本智之)

東京新聞 2023年2月16日 20時29分
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