※2/19(日) 9:00配信
時事通信

 ロシアのウクライナ侵攻で、西側諸国の企業が事業停止・撤退を余儀なくされる中、急成長する謎の健康機器メーカーがある。「ヤマグチ・エレクトロニクス・ソリューションズ」。同社が「日本の業界トップ」とうたうマッサージチェアは、大型商業施設や空港にデモ機が置かれる。かつてモスクワ便の機内誌にも広告が出されていて、駐在員や出張者にも知られている。(時事通信社モスクワ支局 平岩貴比古)


社印は中国簡体字
 同社は、日本に存在しない。展開エリアは旧ソ連圏に限られるが、一般市民をはじめ、日本通のロシア人までもが「日本企業」と固く信じて疑わないほど、立派なマーケティングを繰り広げている。かつて中国市場でよく見られ、ロシアにもたびたび登場する「偽日本企業」(日本人駐在員)であることは公然の秘密だが、需要を一気に吸い上げて成功を収める事例は珍しい。

 公式サイトによると、ヤマグチ社は1976年創業。94年から「コバヤシ」という姓の人物が社長で、公開されている証書には「山口電子科技(電は中国の簡体字)」と社印がある。
 「中国工場が四つあり、うち一つでは日本の電機大手から製造を請け負っている」と信頼性を強調。本社従業員は360人で、住所は「山口県長門市三隅上」とされているが、この住所の近辺に海外展開するメーカーなどはなさそうだ。

ロシア語で「私は強い」
 日本の商社関係者によると、ヤマグチ社のマッサージチェアは10年ほど前からロシア市場で目に付くようになり、最近では芸能人を広告に起用。ロシア語の「ヤー・マグーチー(私は強い)」を連想させて語呂がよく、健康機器メーカーとして不動の地位を確立した。

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