【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は2日の講演で「最近のデータは高インフレの鈍化が想定より進展していないことを示している」と話した。2月の経済指標で足元の傾向が続けば、金融引き締めを想定より強くする必要があると言及した。

2022年10-12月の個人消費支出(PCE)物価指数が上方修正されたことなどを指摘し、2%の物価目標までの道のりが「1、2カ月前に多くの人が予想していたよりも遅く、長いものになる」と話した。利上げの到達点を12月に米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の多くが予想した5.1-5.4%から引き上げる可能性を強調した。

23年3月21-22日に予定されている次回のFOMCでは2月会合と同じ0.25%の利上げが予想されているが、一部では0.5%に再加速するとの見方も強まっている。同時に公表される経済見通しでは、実質的に利上げの到達点となる23年末の政策金利の水準がどれほど引き上げられるかに注目が集まっている。

日本経済新聞 2023年3月3日 7:12 (2023年3月3日 8:13更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN030720T00C23A3000000/