瀬戸内海で4日に解禁されたイカナゴのシンコ(稚魚)漁のうち、大阪湾で操業する兵庫県と大阪府の漁業者らは8日午後、今年の漁を同日で終えると決めた。漁獲量が少なく、来年以降の資源量確保につなげるため。日曜の休漁を挟み、今年の漁期は実質4日間だった。淡路島以西の播磨灘での漁は当面継続する。

 神戸市と淡路島東岸、大阪府の漁業者が電話協議で決めた。初日は回復の兆しがみられたが、その後は振るわなかった。漁はかつて1カ月余り続いたが、2019年以降、大阪湾では実質2~4日間と極端に短くなっている。

 兵庫県内のシンコ漁は1万~2万トン台の水揚げがあったが、17年以降は極度の不漁が続く。漁獲量は21年が速報値で1467トン、22年は1665トンと低迷している。

 津名漁協船曳網運営委員会の保田友也会長(65)=淡路市=は「漁獲量は回復してきているが、まだまだ少ない。取り切らず来年以降につなげることで自然を保護し、くぎ煮文化も守っていきたい」と話していた。


神戸新聞 2023.03.08
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/202303/0016120333.shtml