「あの部長と話すと、なんか気分悪くなるんですよね」「母と話してるといらいらしちゃうんです」

 こんな声を聞くことがしばしばあります。特に、良い報告を伝えようと明るい気分で会話を始めたつもりなのにだんだん気分が
暗くなっていくという相手には話をしたくなくなるものです。相手の気分を悪くする人の話し方と脱却方法について考えます。

 ◇キャッチボールにならない会話を避ける
 会話は野球のキャッチボールのようなものです。相手が取りやすい場所に取りやすい速度で投げると長続きします。
相手の顔をめがけてフルスピードで投げたり、相手がとても取れないような場所に投げたりすることはないでしょう。
でも会話となると相手が受け取れない場所に投げるような場合があり、これが気分を悪くする原因になります。

 相手が良い報告をしたとき、あなたはどんな反応をしているでしょうか?
 友達が「仕事が認められて部署の主任になった」と喜んでいるとき、
①良かったじゃない。それでどんな仕事をするの?
②わあ、大変。そこは忙しいんだよね。休日が少なくなるんじゃないの?
③良かったじゃない。私も実は仕事でうまくいってこんないいことがあったの
④「ふん、そう」と無反応

 ①は共感して相手に関心を持ち、積極的に会話を広げていくコミュニケーションスタイルです。
こうした会話をする人は相手と良い関係をつくることができます。キャッチボールが心地よく続きます。
共感してさらに質問するということで会話は発展します。

 ②は相手の話の中のネガティブな部分を見つけ、それを強調しています。相手は心の活気が低下します。
キャッチボールでいうと、相手の顔めがけてボールを投げつけた感じになります。関係性はストップします。

 ③は一応共感するが、すぐに自分の話にすり替えて相手の話を聞くことがありません。聞いてもらえない人は
気分がすっきりしません。キャッチボールでいうと、相手のことを考えず自分の好きな場所に投げた感じです。

 ④は相手に無関心で、こうした反応をする人には話をしたくなくなります。キャッチボールでいえば、相手から
受けたボールを持ったまま、投げないで持ったままという感じです。

 ◇やる気をなくさせる会話に注意
 相手が楽しんだり積極的に行動しようとしたりするとき、やる気をなくさせる会話にも注意が必要です。
 妻が最近始めたダンス教室に通おうとしたところ、夫が「よくそんな所に行く元気があるね。たいしたもんだよ」と一言
あるいは、子どもがサッカーの練習に行こうとしたところ、「どこが面白いのか分からないわね」という母親の一言などです。
 本当は相手にそうしてほしくないときにダイレクトに伝えず、間接的に伝えて相手の気分をくじくような会話は関係性を
悪くします。間接的に攻撃的といわれる会話スタイルです。共感せずに間接的に否定してさらに攻撃するという毒を
含んだようなコミュニケーションです。これはやめてほしいですね。

つづきはそーすで
時事メデイカル (2023/03/10 05:00)
https://medical.jiji.com/topics/2952