三菱電機は14日、次期静止気象衛星「ひまわり10号」を気象庁から受注したと発表した。大気を立体的に観測し、集中豪雨をもたらす線状降水帯や台風などの予測精度が大幅に高まる。運用中の8号と9号が2029年度に設計寿命を迎えるため、28年度ごろにロケットで打ち上げ、29年度中の運用開始を目指す。

三菱電機が気象衛星を受注するのは00年の「ひまわり7号」以来4機連続。受注額は明らかにしていない。

大気中の水蒸気など3次元情報を得られる「赤外サウンダー」と呼ばれるセンサーを初めて搭載する。雲の分布や地表温度など2次元情報を取得するセンサー「イメージャー」の機能も高める。宇宙環境センサーを加えた計3つのセンサーで観測精度を向上させる。

打ち上げ時の質量は約6.1トンで、展開時の全長は約11メートル。三菱電機の鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)で20年に完成した「衛星生産棟」で組み立てから試験までする。

日本経済新聞2023年3月14日 13:50
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC142ZM0U3A310C2000000/