>>791

 だから、依存性の強いものについては、禁止しなくても、そのアクセスを制約していこうというのが国際的な
コンセンサスになりつつある。
 今、世界が危険視しているのは、アルコールである。
 アルコールが依存症だけでなく健康被害や自殺にもつながるということで、世界保健機関(WHO)は2005年に
有効な戦略とプログラムを開発・実施・評価するよう加盟国に要請している。
 この中に、広告規制や安売りの規制、営業時間の制限などが含まれている。実際、フランスやスウェーデンでは
アルコール類のテレビCMを禁止しているし、アルコールの安売り規制を始めた国も多い。アメリカに旅行した人
ならわかるだろうが、多くの州で夜11時をすぎたら、どんな店でもアルコール類は買えない。
 それに比べると、日本のアルコール類の広告は実質野放し状態(多少は自主規制は行っているのだが)、
全国のコンビニで24時間アルコール類が買えるなど、いかに規制が緩いかは一目瞭然だ。...

 だから、世界中の国で、ギャンブルは認めるにせよ、依存症にならないように工夫をしてきた。「いつでもやれる
状態が依存症を作る」という考え方がその基本にある。ギャンブルを認める場所は、普段生活している場から
遠いところにするのが原則だ。アメリカではラスベガス、中国ならマカオ、フランスならモナコと言った具合だ。
東京にカジノを作ろうというバカげた構想があるらしいが、まさにギャンブル依存症の危険性をなめた発想としか
言いようがない。...