釜石市の「震災誌」続く生みの苦しみ 原稿案や編集方針で認識の違い


岩手県釜石市は東日本大震災の発生から復興までの10年間を総括する「震災誌(仮称)」の編集を進めている。こうした記録集の作成は県内初の取り組みだが、原稿案の作成が遅れ、完成は当初予定した2022年度末から23年度にずれ込んだ。

◇市長と委員の温度差が浮き彫りに

 「市が何をやったのかを押さえたうえで、反省や教訓を見いださねばならない」

 22年12月、市役所で開かれた震災誌編さん委員会。冒頭、野田武則市長はこう述べ、施策の記録を重視すべきだとの考えを示した。

 これに対し、委員からは「震災での出来事や対応を中心とした内容というが、将来に向けての教訓も必要と思う」「防災教育のテキストになってほしい」と、今後の災害対応に役立つ内容とするよう求める声が相次いだ。

 同委員会は21年11月に設置され、学識経験者や元市幹部、住民代表ら15人で構成する。委員長の斎藤徳美・岩手大名誉教授(地域防災学)は、会合の締めくくりに「市長の思いは受け止めるが、市役所がよくやったというニュアンスにはしたくない。成果だけでなく、次につなげることも引き出さなければ」と注文を付けた。


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Yahooニュース 2023/04/12 7:30 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/41ff11873e5383a3d38145608afcea24396c6eef