※2023/04/19 09:47
読売新聞

 香川県三豊市沖でナマコを密漁したとして、坂出海上保安署が、多度津町の漁師ら2人を漁業法違反(特定水産動植物の採捕)と県漁業調整規則違反(禁止区域操業)の両容疑で再逮捕していたことが、捜査関係者への取材でわかった。ナマコは高級食材で「黒いダイヤ」とも呼ばれ、密漁が問題化。対策が進められてきたが、識者は更なる取り締まり強化の必要性を指摘する。

 再逮捕されたのは、同町の漁師の男(23)と、丸亀市の塗装工の男(24)。2人は操業が禁止された多度津町沖の海上で2月5日の夜、小型漁船で底びき網を使ってナマコを密漁したとして、両容疑で3月13日に逮捕されていた。

 捜査関係者によると、2人は1月下旬と2月上旬、操業が禁止された三豊市沖合で密漁をした疑い。3月30日に再逮捕された。塗装工の男はその後、釈放されたという。

操業禁止区域で密漁を行っていた小型漁船(多度津町沖で)=坂出海上保安署提供
 漁師の男が船でナマコを取っている間、塗装工の男が陸地から海上保安署の巡視艇を見張り、無線機で連絡を取っていたという。

 同署は今月7日、免許を受けずに無線局を開設したとして、漁師の男を電波法違反容疑で追送検した。

 2人は、密漁したナマコ数百キロ(数十万円相当)を三豊市詫間町の市場に卸していたとみられる。

 ナマコの密漁が後を絶たない。昨年12月には、違法な漁獲を防止する「水産流通適正化法」が施行。市場に出回るナマコに番号を付け、取引記録を追跡し、不正な流通を監視できるようになった。しかし、今回のような「漁師の密漁は想定外」(水産庁)という。

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