看護師による入院患者への暴行事件が起きた東京 八王子市の精神科の病院に対し、都は25日、病院の管理体制に不備があり、虐待を把握できなかったなどとして改善命令を出しました。

入院患者を暴行したとして複数の看護師が逮捕されるなどした東京 八王子市の精神科病院「滝山病院」に対し、都は立ち入り検査や職員へのアンケートなどを行い調査を進めてきました。

都によりますと、その結果、院長が虐待の事実を認めたほか、アンケートでは、複数の職員が虐待を見たり聞いたりしたものの、上司に報告していなかったという回答もあったということです。

こうしたことを受け、都は、虐待は患者の尊厳を害する著しく不適切な行為だと指摘したうえで、病院の管理体制に不備があり把握できなかったなどとして、25日、病院に対し、医療法と精神保健福祉法に基づき改善命令を出しました。

都が医療法に基づいて改善命令を出すのは初めてだということです。

命令では、再発防止に向けて、第三者を含む虐待防止委員会の設置や、職員向けのマニュアルの作成、それに虐待を目撃した職員が上司に報告しやすい体制づくりなどに取り組み、2週間以内に改善計画を提出するよう求めています。

都によりますと、院長は「院内で虐待が起こったことを大変反省している。命令を受け、改善に取り組んでまいりたい」と話しているということです。

NHK NEWS WEB
2023年4月25日 18時26分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230425/k10014049131000.html