谷口功一さん(50)の新刊『日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く』は、コロナ禍を乗り越えた全国各地のスナック経営者たちの
「生の声」で綴られたルポである。本業は大学教にして東京都立大学法学部長でもある谷口さんは、中国地方を訪れた時に衝撃的な現場に遭遇する。(前後編の後編)

その街は大都会に比べれば、なきに等しい感染者しか出していませんでした。
しかも、すでに時短や休業などの要請もすべて解かれた時期です。
にもかかわらず、ほとんどの店は休業中で、人っ子一人、歩いていない。
知人から取材に応じてくれそうな店のリストをもらっていたのですが、一軒も営業していませんでした」

 衝撃はそれだけではなかった。

営業しているらしき店もあったのですが、すべての店が『一見客・県外客、お断り』の貼り紙を出していたんです」

 谷口教授が撮影した貼り紙の写真を見せていただいた。そのものすごい分量と、強烈なまでに
“閉鎖性”を感じさせる文体は、たしかに衝撃としか言いようがなかった。

翌日、特急で20分ほどの、すぐ隣の県の歓楽街に取材に行ったのですが
こちらはそんな貼り紙は1枚もありませんでした。これは明らかな県民性の違いだと思います」

こういった状況を見るにつけ、谷口教授は「心底から、いまの日本では田舎には住みたくない」との思いに至ったという。

続きはデイリー新潮 2023年05月08日
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/05080801/?all=1

張り紙一例
https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/4/d/4db85_1523_00198d25_61506285.jpg