【ベルリン時事】ウクライナでは7日から8日にかけて、各地でロシア軍によるミサイル攻撃が相次いだ。首都キーウ(キエフ)には未明にドローン30機以上が飛来。対空防衛システムで大半が撃墜されたもようだが、少なくとも5人の負傷が確認された。現地メディアが当局者などの話として伝えた。

 ウクライナ軍によると、北東部ハリコフや南部ヘルソンなどの各地域に16発のミサイル攻撃と61回の空爆があった。南部オデッサでは戦略爆撃機から発射された最大8発の長射程ミサイルの一部が港湾部に着弾し、食品会社の倉庫が炎上した。

 キーウの軍事責任者は通信アプリ「テレグラム」で、「3時間半以上警報が響き、初期段階の情報ではイラン製ドローンに襲われた。30機以上を特定し、破壊した」と説明した。ウクライナ空軍はキーウ方面を攻撃したドローン35機の全てを撃ち落としたと強調。残骸などで負傷者や建物への被害が出た可能性がある。
 東部ドネツク州の激戦地バフムトでは、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が7日、国防省から弾薬の供給が約束されたと主張した。弾薬不足のためにバフムトから撤退する方針を示していたが、取り下げるかは不明。
 米シンクタンク戦争研究所は7日付の報告書で、プリゴジン氏が緊張関係にある国防省に仕掛けた「脅しが成功したようだ」と指摘。「ロシア側の指揮系統には問題があり、戦域全体を一体的に運用する能力に深刻な影響が出ていることを示唆している」と分析した。

時事通信q2023年05月08日20時34分
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