https://www.asahi.com/articles/ASR596T52R58PUUB003.html
 弥生時代最大級の集落跡が残る国史跡・青谷上寺地遺跡(鳥取市青谷町)で、鳥取県による本格的な発掘調査が始まった。
今回発掘するのは、2000年に大量の人骨や世界的にも珍しい人間の脳などが出土した場所の近接地。
昨秋の予備調査では人骨の一部などが出土しており、大量の人骨や木製品が出土することも期待されている。

同遺跡ではこれまでに、弥生時代後期(約1800年前)の人骨が少なくとも109体分出土している。
殺傷痕があったり、人為的に持ち込まれた可能性があったりするなど、遺跡には解明されていない点が多い。
また21年秋には、頭蓋骨(ずがいこつ)やDNA情報から弥生人の顔を復元し、その後「青谷上寺朗」と命名されて注目を集めた。

今回の発掘場所は遺跡中心部の東側で、大量の人骨が見つかった「SD38」と呼ばれる溝の延伸部。
予備調査で縦22メートル、幅27メートルの区域を重機で掘削した後、内側の15メートル四方を慎重に掘り下げた。
今回は溝の中心部を発掘し、人骨や木製品などが出土するたびにレーザー測量して位置や形状などを記録する。
来年度に出土品の整理や分析、保存処理を計画している。

現在はシートをはがしたり、雑草を取り除いたりといった準備作業を進めており、今週内にも発掘作業を始める。
県は15日からの平日、調査を実施しない雨天を除き、午前10時半と午後2時半の2回、現場を一般公開する。
担当職員が調査状況を説明する。ただ状況に応じては公開を中止する場合もあるという。

今回の調査では、大量の人骨があった理由を探るさまざまな手がかりが見つかる可能性があり、
県とっとり弥生の王国推進課の高橋章司・文化財主事は「遺跡の一番の謎に迫る発掘調査になるので、ぜひご覧になってほしい」と話す。
問い合わせは同課青谷かみじち史跡公園準備室(※連絡先はソースで)。

※無料部分ここまで