協定書に調印する別府ムスリム協会のカーン・タヒル代表=別府市若草町の別府モスクで2023年5月9日午後6時50分、神山恵撮影
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 大分県別府市の「別府ムスリム協会」が日出町の町有地にイスラム教徒の土葬墓地を建設する計画は9日に地元住民と条件付きで合意し、九州初のイスラム教徒向け墓地は設置に向けて大きく前進した。2018年に計画されたが、住民らが懸念を示して難航。当初の建設予定地から場所を変えるなどして、ようやく設置見通しが立ち、県内で暮らすイスラム教徒らは安堵(あんど)した。【石井尚、神山恵】

 「日出の住民に感謝する。住民にとってきついことだと分かっているが、私たちが困っていることを理解してくれた」

 協会代表のカーン・タヒルさん(55)は9日夕、別府市のモスク(礼拝所)で日出町高平(こうびら)地区の住民との協定書に調印し、祈りをささげた後、感謝の言葉を淡々と述べた。住民側は事前に協定書に調印し、町を通じて協会に返送していた。

 ここまでの道のりは長かった。イスラム教徒の聖典コーランでは「死者の復活」が信じられており、生き返るための肉体が必要だとして火葬が禁じられているが、九州に土葬できる場所がなかったため、18年に同町内の民有地を購入した。

 計画が表面化した後、土葬による水質汚染や風評被害を懸念した住民が反対を表明。日出町は「条例で定める基準に適合している」と認めていたが、協会は「(反対住民と)仲良くしたい」(カーン代表)という意向から無理に計画を進めず、事態は膠着(こうちゃく)していた。

 この間、当初の建設予定地から同町の提案する代替地に場所を変更。さらに反発が強かった高平地区と協議を重ね、住民が納得できる条件を模索してきた。

 ◇「水の検査」毎年実施

 合意した設置条件は、約4900平方メートルの土地に79区画を設置▽1区画に複数の死者を埋葬する場合は20年間隔を空ける▽年1回、地下水の検査をする――など。うち間隔を空ける条件について、カーン代表は「同じ場所に埋葬する文化はない。今後、ムスリム墓地ができなかった場合、埋葬場所を確保するため」と説明した。

 日出町での障害はなくなった一方、隣接する杵築市の住民が反対し続けている点については「コミュニケーションを取れば、恐れはなくなる」と話した。

 日出町住民生活課によると、今後協会から購入申請が出され次第、売却手続きを始める。約7万平方メートルの町有地から約4900平方メートルを測量後、土地の価格を提示。協会側が了承すれば、町に建設許可申請を提出する流れとなる。売却には1、2カ月かかる見通し。担当者は「条例に触れず、協定内容通りに計画が進むようにしていく」と話した。

5/11(木) 11:09配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/660e48909863bce8de184575467bb445956c10e9

★1:2023/05/14(日) 22:58:59.56
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