産経新聞2023/5/18 21:22
https://www.sankei.com/article/20230518-WZAGIGDEIFLUZDEOWJGC7IKOZM/

神奈川県小田原市のJR東海道線の踏切付近で今月、線路にカメラを持った人たちが立ち入り、一部区間で運行に遅れが生じた。電車を撮影する「撮り鉄」と呼ばれる鉄道ファンとみられる。車両との接触などのリスクがあることから鉄道各社はマナーを守った撮影を呼び掛けるが、一部の人たちによる迷惑行為は後を絶たない。(橋本愛)

13日夕、小田原市のJR東海道線の真鶴―根府川間の「江ノ浦踏切」付近で線路内にカメラを持った10人ほどが立ち入っていると110番通報があった。

JR東日本や県警小田原署によると、回送電車の乗務員が線路内への立ち入りを発見し、電車を停止。乗務員が線路に降りて確認すると既に姿を消していたが、近くには荷物が残されていた。

同踏切付近は撮影の人気スポットといい、捜査関係者は当時の状況から「いわゆる『撮り鉄』だ」と話す。けが人は出なかったが、付近の区間で運転を見合わせ、約25分の遅れが生じた。

「どけよ!」「下がれ」。3月、京急線金沢文庫駅(横浜市)のホームで怒声が飛び交った。この日は営業運転を目前に控えていた京急イエローハッピートレインの試運転が行われ、撮影のためにファンたちが集まったとみられる。ホーム上の黄色い線の内側に留まっていたものの、三脚や脚立が持ち込まれ、騒ぎとなった。

事故やトラブル回避に向け、鉄道事業者は線路への立ち入りやフラッシュ使用などを控え、マナーを守った撮影を行うよう要請。記念走行などでファンの集結が予想される際は警察に警戒を要請することもあり、その場合は警察官立ち会いのもとで「大きな騒ぎにならない」(県警関係者)。