参院で審議中の入管法改正案に反対するデモが21日、東京・渋谷であった。政府は不法滞在中の外国人が入管施設で長期収容されている問題の解消を図るとしているが、改正案は難民認定申請者の強制送還を進めるものだとして反対している参加者は「難民をいじめる入管はいらない」と声を上げた。

 一般社団法人「反貧困ネットワーク」などが主催した。行進前の集会には、2021年に名古屋出入国在留管理局で病死したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の妹2人も参加。ポールニマさん(28)は「国会は再発防止のための議論をしてください」と訴えた。

 入管と在日外国人の問題を描いた作品がある作家の中島京子さんも「『外国人はうそをつく』という偏見が法改正の原動力になっている」と入管の姿勢を批判した。その後、参加者は「難民認定は第三者機関が行え」などと書かれたプラカードを掲げ、行進した。


 改正案は、難民認定申請中の外国人は一律に送還が停止される現行ルールに制約を設け、3回目以降は原則として申請中でも送還できるようにする。【金志尚】

毎日新聞 2023/5/21 20:01
https://mainichi.jp/articles/20230521/k00/00m/010/186000c