大手回転ずしチェーン「スシロー」の店舗で客の少年が卓上のしょうゆ差しの注ぎ口をなめる動画が拡散した問題を巡り、スシローを運営する「あきんどスシロー」(大阪府吹田市)が岐阜県の少年に約6700万円の損害賠償を求めた訴訟で、スシロー側が請求する損害賠償の金額を増やす方針であることが9日、分かった。

スシロー側は3月に大阪地裁に提訴。「多くの客に著しい不快感、嫌悪感を与えた」と主張し、得られるはずだった売り上げや、会社の信用低下に伴う損害金の支払いを求めている。

動画拡散後、スシローは再発防止策として全国の郊外店舗にテーブル席とレーンの間にアクリル板の設置を進めており、訴状の中で「今後、9300万円程度の損害が生じる見込みで、損害の発生を踏まえて請求を拡張する予定」と言及している。

訴状によると、少年は1月3日、岐阜市の「スシロー岐阜正木店」に友人と来店。しょうゆ差しの注ぎ口をなめたり、回転レーン上のすしに指で唾液を付けたりする少年の行動を友人が撮影したという。

動画が交流サイト(SNS)上で拡散され、その後、客が大幅に減少。親会社の株価に影響し、時価総額は1日だけで160億円以上下落したとされる。

一方、少年側は答弁書で「反省の日々を送っている」としつつ、「回転ずし業界は競争が激しい。現場店舗の立地を踏まえると、客が減少した原因が他店舗との競合にあることなども考えられる」と反論して請求棄却を求めている。

産経ニュース
2023/6/9 15:44
https://www.sankei.com/article/20230609-DJYFI6RBMFNZBB5WKMSS2VMCRM/