陸上自衛隊日野基本射撃場(岐阜市)で3人が死傷した小銃発砲事件で、殺人容疑で逮捕された自衛官候補生の男(18)は、小学生時代から「自衛隊に入りたい」と周囲に語っていた。

 候補生になる際の適性検査や入隊後の勤務態度に大きな問題はなかったといい、陸自警務隊と岐阜県警は経緯を慎重に調べている。

 男は岐阜県出身で、実家は住宅や田畑が広がる地域にある。周辺住民によると、十数年前に家族で引っ越してきたという。6人きょうだいの上から3番目で、きょうだいが仲良く遊ぶ姿がたびたび目撃されていた。

 小中学校の同級生だった男性(18)は「優しい子で、人に危害を加えたりすることはなかった」と小学生時代を振り返る。運動神経が良く、地域の祭で行われたロープを渡る訓練イベントでは率先して渡っていた。男は「自衛隊に入りたい」と当時から話していたといい、男性は「戦車が好きだった。憧れがあったのかもしれない」と推し量った。

 友人は多くなかったといい、中学に入学すると間もなく不登校になり、2年生の時に転校。だが、高校に進学すると、放送部の部長を務めた。当時の同級生は「明るい性格でムードメーカーのような感じ。お調子者だった」と話す。この頃も自衛官になりたいと周囲に語っていたという。

 自衛官候補生は採用前に面接や、性格などを調べる適性検査を受ける。入隊後は担当の指導隊員が寝食を共にし、面談や交換日誌で心情把握に努める。防衛省関係者によると、男について大きな問題は報告されておらず、むしろ「むら気はある」ものの「おとなしい性格」とみられていたという。 

時事

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