野村農林水産大臣は、一部の活動家・NPO・メディア・大学教授などが要請している
アニマルウェルフェアの導入を日本国内で進めていくと、卵の価格などがさらに上昇する可能性があることを明らかにした。

6月30日に実施された野村農林水産大臣記者会見の際に、記者から「アニマルウェルフェアのことについてお伺いします。
国としての指針が取りまとめられたわけですが、指針策定のねらいを教えていただきたいのと、どう推進するかをお願いいたします」との旨の質問が行われた。

この質問に対して、野村大臣は「アニマルウェルフェアについては、家畜の管理の仕方については、国によっていろいろ違います。
日本の鶏の飼い方で、『ケージに1羽 1羽入れて、動きもあまり取れないではないか、あれではかわいそうだ』と
このようなことがよく言われていまして、日本のような狭い土地の中でたくさんの鶏を飼うには
ああいう飼い方しかできなかったということも申し上げてきたのですけれども、今、国際基準に基づいて
農林水産省がアニマルウェルフェアの飼養管理の指針の最終案を作っているところです」との旨を述べた。

その後に、「ただし、これも国際基準に合わせると、日本の場合は土地の狭い中で、いくらでも飼えるかとなると、そこまで飼えませんので
今までの飼い方をどう改良していくのか。そして農家の皆さんが『それでいいよ』ということになっていくのか。
場合によっては、消費者の皆さんの負担もお願いしなければ(なりません)。農家が施設整備をしなければならないということになると
『価格が上がりますよ。皆さんそれでもいいですね』ということも、消費者の皆さんの了解をとらないと。
今度は消費者の皆さん方の負担も、卵の値段が上がっていく(ことで増える)ということにもなっていくので、(生産者と消費者)両方の了解がとれるような形での
アニマルウェルフェアの重要性(について)の説明というのは今後、丁寧にやっていかざるを得ないだろうと思っています」との旨の見解を示した。

続きはASEANポータル 2023年7月4日
https://portal-worlds.com/news/asean/31328

参考資料 農林水産省
アニマルウェルフェアとは
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html

「アニマルウェルフェアとは、動物の生活とその死に関わる環境と関連する動物の身体的・心的状態」と定義されています。
アニマルウェルフェアについては、家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすことが重要であり、結果として、生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながることから、農林水産省としては、アニマルウェルフェアの考え方を踏まえた家畜の飼養管理の普及に努めています。