出稼ぎ労働者の「劣悪な労働環境」

 日本には多くの出稼ぎ外国人労働者がいる。特にベトナム、インドネシア、タイといった東南アジアからやって来る若者がたくさんいて、彼らはいわゆる3K(キツい・汚い・危険)と言われるような仕事にも従事してくれている。日本の水準では高くない給料でも、彼らの母国に比べれば高い給料になるからだ。日本の安くて良質なサービスは彼らによって支えられている面が大きい。

 そうした外国人労働者の大半は、日本政府が定める外国人技能実習制度により在留資格を得ている。だがこの技能実習制度、かねてから悪名が高い。「技能実習」の名のもとに外国人労働者を不当にあつかう雇用主が少なからずいるからだ。

 低賃金で劣悪な労働環境。残業代の未払い。暴行やセクハラ。果ては労災隠し。そんなケースが横行しているのだ。同じ日本人として情けないし、申しわけない。

 この技能実習制度の問題は2000年代からすでにアメリカや国連から「奴隷制度に等しい」「虐待的、搾取的な慣行」と指摘され、改善を求められていた。しかし日本政府は積極的な改善策を打ってこなかった。そしてやがてSNSの普及にともない、その労働実態がより広く明るみになったことでいま現在、国外のみならず国内からも批判が噴出している。

 もちろん、誠実にやっている雇用主も多くいる。それでもその外国人労働者たちは「技能実習生」であって「正式な移民」ではないため、社会保障などの権利がほとんどないに等しい。こんなことをやっていては、せっかく日本に来てくれた外国人たちからの評判は地に落ちていく。

 不当な搾取に遭った彼らは、間違いなく母国の知り合いにその内実を伝えるだろう。いくら日本が住みやすい国であろうが働きに来てくれなくなる。その結果、日本が世界に誇るサービス力も必然的に劣化してしまうだろう。

「働き先」として除外されていく日本

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https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/74dd819365d58074aae01f62dde310603d5f6c26&preview=auto
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