現代ビジネス 7/27(木) 7:33

 海外を歩いていると日本人に出会うことは、ほとんどなくなった。欧州旅行に出かけてみれば、「中国人?」と必ず聞かれ、「日本人だ」というと懐かしい眼をされる。

 日本の栄光はすでに過去のもの。海外の観光地では、“円の没落”によって日本人が絶滅危惧種となっていた・・・。前編『日本人が世界で「絶滅危惧種」になっていた…ヨーロッパ旅行して気がついた! 「安いニッポン」がたどる「悲しき現実」』に続き岡村聡氏がレポートする。

円安がひど過ぎて、海外に出かけられない!
 昨年の夏休みも円安が進行して、こちらのコラム『ハワイは「ラーメン屋で1万円」「丸亀製麺50-60ドルがお得」って…! “日本人激減”ハワイでいま起きている「すごい現実」』が話題になり、ハワイの物価高が地上波のニュース番組に何度も取り上げられました。今年の円安は、さらに深刻で米ドル以外のポンドやユーロ、シンガポールドルなどほぼ全ての主要通貨に対して進行している点が異なります。

 このコラムを執筆している時に滞在しているポルトガルは主要先進国の中でも最も物価が安い国の1つですが、それでも宿泊費や外食費で比較すると日本よりも大分高く感じます。さらに航空券全般が高騰している中では近隣のアジアはともかく、欧米に旅行する日本人が激減してしまうのも当然でしょう。このトレンドについてはマクロデータでも確認できます。

 出入国管理統計によると23年5月の日本人出国者数は約68万人と、日本人の海外出国者数がピークとなった19年の同じ月の約144万人から、半分以下にとどまっています。JTBの統計によると23年4月において、日本人出国者56万人を行先別でみると、12万人以上が韓国を訪れ、最も人気となっています。

 その次に米国の約8.8万人(内ハワイが約3.4万人)と続くものの、その後はタイが約4.5万人、ベトナムが約4.3万人、フィリピンが約2.3万人、シンガポールが約2.2万人と東南アジアの国々が続いて、欧州については特に渡航が少なくなっていることが分かります。

 この背景には米ドルは昨年の夏休みとそれほど変わらない140円前後で推移している一方、ユーロについては150円台後半とリーマンショック以降では最も円安ユーロ高となっていることも大きく影響しているでしょう。

 一方、円安が追い風となる訪日外国人観光客数については過去最高だった19年の70%にまで同月比で戻ってきており、インバウンド観光が今年に入って急回復しています。コロナで3年に渡って我慢してきたという要因があるにも拘わらず、海外渡航については低調であることが分かります。

 このトレンドはいつまで続くのでしょうか。

円安で沈む「日本の影響力」
ドルだけでなく、ユーロに対しても安い「円」、海外旅行は夢の世界へ Photo/gettyimages
 中長期的な日本人の観光客数を占う上で、まずは過去のトレンドを見てみましょう。日本人の海外出国者数はバブル経済が崩壊する前の1988年には1,000万人を下回っていましたが、マクロ経済全体は落ち込んだ90年代に入ってからも伸び続け90年代半ばには1,500万人を突破します。

※全文・詳細はリンク先で
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/db21ee985e233d4740af0421b4819597df070d56&preview=auto