北海道新聞 7/28(金) 9:23

田村瑠奈容疑者
 札幌市の繁華街ススキノのホテルで殺害された男性の頭部を持ち去るなどしたとして、親子3人が逮捕された事件…29歳の女は、小学校から不登校の後、あまり交友関係が見られていませんが、20代前半に半年間、欠かさず通っていた“教室”がありました。

 札幌市厚別区の無職、田村瑠奈(るな)容疑者29歳、父親で医師の修(おさむ)容疑者59歳、それに母親でパート従業員の浩子容疑者60歳の3人は共謀し、1日深夜から2日未明にかけて、札幌市のススキノのホテルで殺害された恵庭市の62歳の会社員の男性の首を刃物のような凶器で切断した上、頭部を持ち去るなどした疑いが持たれています。

 被害男性は司法解剖の結果、体に刃物で刺された致命傷があり、死因は出血性ショック、殺害された後に首を切断されていました。

 現場から持ち去られた頭部は、田村親子3人の自宅で見つかり、腐敗がすすんでいましたが、歯形から被害男性と判明しました。

 捜査関係者によりますと、現場のホテルに入室したのは瑠奈容疑者1人で、自宅から防犯カメラで確認された金髪のウィッグ、黒っぽい服が押収されました。

 父親の修容疑者が車で送迎していたとみられ、捜査本部は車を押収し、裏づけをすすめています。

 また、現場には瑠奈容疑者の指紋がなく、瑠奈容疑者と父親の修容疑者は、2人で事件前、自宅近くの量販店で、犯行に使われた可能性のあるノコギリとスーツケース、それにナイフを購入していました。

 さらに、瑠奈容疑者と被害男性が事件前から飲食店で接点があったことがわかり、捜査本部は、動機につながるトラブルが発生していた可能性があるとみて調べています。

 近所の人などに取材をすすめると、小学校から不登校になるなどし、目立った交友関係が見られない瑠奈容疑者ですが、20代前半に半年間、欠かさず通っていた“教室”がありました。

 それは、銀粘土を窯で焼くなどし、アクセサリーなどを作る教室で、講師の女性は、母親の浩子容疑者とのエピソードも覚えていました。

<近所の人などが話す瑠奈容疑者の人物像>
・小学生のときから不登校
・中学校も不登校
・高校も入学はしたようだが、通学している様子は見られず
・漫画が好きと言っていたので、専門学校にでも行ったのかと
・事件発生後も変わった様子はなかった
・質素というか、普通な感じ

<アクセサリー教室の女性講師>
・受付に突然来て「入りたい」と
・2017年4月から半年間、月1回2時間のコースに欠かさず出席
・リング、ペンダント、人形に付ける?飾りなどを熱心に作る
・身長160センチくらい、綺麗な女性という記憶
・派手な服装とかなく、普通のお嬢さん
・笑顔もあり、悪い感じは一切なし
・体験の時、母親の浩子容疑者も同行
・母親は途中で退席したが、仲の良い母娘に見えた
・2017年の後半から休みがちに
・2018年、2019年も在籍していたが、出席なし

 この他、講師の女性は、非常に印象に残るエピソードとして、熱心だった瑠奈容疑者が休みがちになった際、心配して電話すると、母親の浩子容疑者が出て「朝起きて外に出られない時は、無理に『お教室行きなさい』とか言わないで、自由にさせているんです」などと話したので「いろいろ事情があるんだなと思った」と話しています。

 熱心にアクセサリー教室に通った日々から6年…猟奇的な事件の実行役とみられる瑠奈容疑者。

 総合病院の精神科の科長で、学生時代からバンド活動も続ける一方、事件前、家に入らず、車の中で何時間も過ごす異変が見られたという父親の修容疑者。

 そして、近くの住人とは、庭先の花や植物、絵の話で交流があり、温厚で、知人に宛てた年賀の挨拶状では、丁寧な文面、個性的なイラストも見せていた母親の浩子容疑者。

 捜査本部は、捜査に支障があるとして、3人の容疑についての認否を明らかにせず、引き続き事件前の親子と被害男性のトラブル、3人の役割分担、動機などの解明をすすめています。

北海道放送(株)
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