デイリー新潮 7/29(土) 5:59

田村修容疑者(本人のSNSより)https://i.imgur.com/ttNMZ5G.jpg

 密室で殺害された男性の首を切断、短時間で持ち去る手口ゆえ、犯人を巡ってはさまざまな臆測が飛び交った。プロの犯行か、男でないと手際よく処理するのは不可能――。そんな見方を覆し逮捕されたのは、若き女性とその両親。エリート医師一家のいびつな関係に迫る。

 あまりに猟奇的な事件が発生してから23日後、事態は急展開を迎えた。一時は迷宮入りもささやかれた中で、逮捕された容疑者はひとつ屋根の下に住む父母と娘の一家3人。しかも父親は、人の心を救うのが仕事の現役精神科医だった。

 7月24日、北海道警は札幌市厚別区に住む職業不詳・田村瑠奈容疑者(29)と、父親で勤務医の修容疑者(59)を、死体損壊や死体領得、死体遺棄の疑いで逮捕したと発表。翌日には同じ容疑で、母親の浩子容疑者(60)も逮捕するに至ったのである。

 容疑は7月1日深夜から翌日未明にかけて、札幌一の歓楽街として知られるススキノに立つラブホテルの一室で、恵庭市在住の会社員・Aさん(享年62)の頭部を切断して、持ち去ったというもの。道警が父と娘の逮捕直後、容疑者宅へ家宅捜索に入ったところ被害者の頭部が発見されたことで、今後は殺人容疑も視野に捜査が続く。

計画的な犯行
「道警は瑠奈容疑者を殺害の実行犯、父母が遺体の損壊や遺棄の共犯者とみて取り調べを行っています」

 と解説するのは、さる全国紙の社会部デスクだ。

「現場周辺にある防犯カメラには、殺害前の被害者と瑠奈容疑者が、二人でラブホテルへと向かう様子が録画されていました。チェックインは23時前で、日付をまたいだ2時ごろ、彼女だけが“先に出ます”とフロントに伝えて現場を後にしましたが、遺体が発見される15時までの間に第三者が部屋へ入った形跡は一切なかった。また修容疑者は自ら車のハンドルを握り、娘のために自宅と現場を往復する送迎役を担ったことに加え、凶器や頭部を運んだと思われるスーツケースを事件前に娘と市内の小売店で購入していたことから、家族で計画的に犯行に及んだ可能性もあります」

 娘の凶行を止めるどころか手助けをしていた父親が、ベテランの精神科医であったことから、この事件の闇は一層深いものになった。

人権の大切さを訴えてきた修容疑者
 道東・オホーツク海側にある遠軽町に生まれた修容疑者は、旭川医科大学を卒業後、精神科医となり札幌市内にある勤医協中央病院に勤務。精神科・リエゾン科科長にまで昇り詰めたという。

 逮捕される直前まで、彼は普段通り出勤していたそうだが、同じ病院に籍を置く現役看護師は、こう話す。

「患者さんにも優しく声をかけ、科長でありながら、看護師も分け隔てなく接するなど、院内での評判は上々でした。田村先生を悪く言う人は聞いたことがありませんが、事件の一報を聞いて“あの先生が?”という驚きが不思議となく、周囲も同様の反応でした。なんと言えばいいのか、あまりに温厚で優しい方だったので、やっぱり“裏の顔”があったのかと、変に納得してしまったんです」

 院外活動にも熱心な修容疑者は、5年前には「海外派遣自衛官と家族の健康を考える会」の北海道・東北支部を設立、代表幹事に就任している。米国で社会問題化している、兵士が戦地や軍事演習で受ける心理的ストレス、いわゆる「コンバット・ストレス」の改善を目的とした活動に取り組んでいた。

 また2019年には「医療九条の会」で「精神医学と人権」というテーマの講演を行うなど、社会活動にも熱心な様子だった。

 人命の尊さ、人権の大切さを人一倍、世の中に訴えてきたはずの医師が、人をあやめようとする娘を止めることはできなかったのか。

※全文・詳細はリンク先で
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/959a06800e4edc85cfe84dae31cecc9036c6aec6&preview=auto