4年ぶりに制限を設けずに6日に広島市の平和記念公園で開かれる平和記念式典では、手荷物検査が強化される。4月に遊説中だった岸田文雄首相に爆発物が投げつけられた事件を受け、要人警護が見直される中、厳戒態勢が敷かれる。

 新型コロナウイルスの5類移行後、初となる今年の式典では、被爆者や遺族、来賓、自治体関係者らが座る参列者席を昨年の倍となる約7000席準備。このうち一般向けの約1200席は、昨年の事前申込制を、今年は当日の先着順に切り替え、参加しやすくする。さらに参列者席の後方で式典を見学できる立ち見を4年ぶりに復活させる。

 平和記念公園には6カ所の入場口を設け、金属探知機による手荷物検査を行う。安倍晋三元首相の銃撃事件を受けた昨年に続いての実施で、立ち見客も含めた全来場者を対象とする。

 市は警備にあたる職員を約1000人配置する。市の担当者は「昨年よりもずっと多い来場者が予想される式典で、さらに警備を強化する必要があり、大変だ」と話す。広島県警も、不特定多数の参加が見込まれるとして警戒を強める。【武市智菜実】
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