子どもが言うことを聞かず、つい怒鳴りつけてしまうという親御さんは多いのではないでしょうか。
イライラが制御できず、「誰のおかげで生活できてると思っているの!」と言ってしまうケースも…。
しかし2023年4月1日に「こども基本法」が制定さてたいま、「子どもの権利を侵害しない」叱り方について考えてみることが必要です。
中山芳一さんが解説します。

※中山芳一(岡山大学教育推進機構 准教授)
専門は教育方法学。1976年岡山県生まれ。大学生のキャリア教育に取り組むとともに、幼児から高校生までの子どもたちが非認知能力やメタ認知能力を向上できるよう尽力している。
さらに、社会人対象のリカレント教育、産学官民の諸機関と協働した教育プログラム開発にも多数関与。学童保育現場での実践経験から、「実践ありきの研究」をモットーにしている。

●子どもに話すときに上から目線の言い方をしてしまう

【親子のやりとりの一場面① 】
親「お父さんの頃の時代はなぁ、こんな贅沢なんてできなかったんだからな! いまと比べて昔はなぁ
もっとがまんができてた、がまんがな! 目上の人に生意気なことを言ったらな、そりゃ、張り倒されてたぞ!」

子(いまと昔は違うから参考にならないんだよな…)

【親子のやりとりの一場面②】
子「お母さんの言うことなんて聞きたくない!」

親「あなたねぇ! 私のほうが何歳年上だと思ってるの!? 生意気言わないでちゃんと聞きなさい!」

この2つの場面に共通することが、年上(人生の先輩)であることを前面に出していて、年上の昔話や指示を聞くことが前提になっているという点です。
この事例は、言うまでもなく「年上」が邪魔をしてしまっています。
まず、考えてみてください。どうして、年上の話を年下(特に子ども)が聞くのが当たり前なのでしょう?
社会人同士の関係を考えてみても、年下の上司と年上の部下という関係性なんて
いまとなってはまったくもって珍しくありませんよね。

もちろん、年上の方を敬うという考え方、それはそれで大切なことですが
それと昔話や指示を聞かされることとは別問題でなければなりません。

この、年上だからとか大人だからといった過剰な考え方が、従わせる側と従う側という二極化を生み出してしまうわけです

たしかに、以前であれば年上は敬い、年上の言うことを聞くべきだという暗黙のルールがあったかもしれません。

しかし、私たちはこの暗黙のルールに決別し、私たちのこれまでの経験の拘束を断ち切るときが訪れたのかもしれないですね。

年上であれ、年下であれ、一人の人間としては等しく尊重される中で、年上だから言うことを聞くのではなく
言うことを聞いてみたいと思われる一人の人間になりたいものです。

続きはNobico 2023/08/11
https://family.php.co.jp/2023/08/11/post_6991/