上空の寒気と湿った暖気の影響で、12日の県内は大気の状態が不安定となり、非常に激しい雨が降った。盛岡地方気象台は午前7時50分、内陸で線状降水帯による激しい雨が同じ場所で降り続いているとして、「顕著な大雨に関する県気象情報」を発表した。

 大槌では午前7時9分までの1時間で69・5ミリ、同8時10分までの3時間で134・0ミリの猛烈な雨を記録。遠野・附馬牛(つきもうし)も1時間降水量53・5ミリで、いずれも観測史上最大だった。

 午前10時10分現在の24時間降水量は大槌154・0ミリ、遠野・附馬牛115・0ミリ、久慈・下戸鎖95・5ミリ、花巻・大迫92・0ミリ、盛岡42・5ミリなど。盛岡市中心部も断続的に激しい雨に見舞われた。

 JR盛岡支社によると、大雨の影響で午前11時現在、釜石線は上下10本が運休。山田線も上下2本が区間運休した。

 県のまとめによると、午前10時現在、遠野市宮守町で床下浸水1件が確認された。大槌町吉里吉里の県道231号は土砂崩れのため、午前7時40分から通行止めとなっている。人的被害の情報は入っていない。

 同気象台によると、12日は多い所で1時間に50ミリの激しい雨が降る恐れがある。13日午前6時までに予想される24時間降水量は多い所で沿岸150ミリ、内陸100ミリ。同日明け方にかけて土砂災害や低地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒を呼びかけている。落雷やひょう、突風にも注意が必要だ。

岩手日報 2023.08.12
https://www.iwate-np.co.jp/article/2023/8/12/147825