コロナ対策から事実上解放されて初めての夏。久しぶりの帰省や旅行を楽しむ予定の方々も多いのでは。そこで、地元の人しか知らない47都道府県の『トリビア』を紹介します。家族や旧友、旅先の人たちとの話題にチェックしてみてください。13日は首都圏・北関東の7都県です。

 「鎌倉は面積あたりの観光客が多い」。鎌倉市観光課がこんな資料をまとめたのは2019年。鎌倉市と同様に「歴史」を観光資産とする京都市、奈良市の15年の「1平方キロあたり」の観光客数を比較している。


 それによると面積約40平方キロの鎌倉市への観光客数は1平方キロあたり57万3000人。これに対して京都市(約828平方キロ)は6万9000人、奈良市(約277平方キロ)は5万4000人で、鎌倉市の観光客の密集度は10倍前後に達するとしている。

 こんな資料をまとめたのは、当時の鎌倉市が「オーバーツーリズム」に苦しんでいたからだ。観光客数が過剰になることで交通機関や商業施設が大混雑してしまう現象を指す。実際、コロナ禍前の鎌倉市への観光客数は、毎年2000万人前後で推移してきた。感染が拡大した20年でも6割減ながらも約740万人が来訪するなど「ブランド力」は健在だ。今年の流行が落ち着いた時期には、江の島付近の人波が連日テレビで流れた。


 さらに22年はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が人気を博した。登場人物ゆかりの地を訪れる人も多く、鶴岡八幡宮の境内に設置された「大河ドラマ館」(23年1月9日まで)の入場者は10月27日に20万人に達している。

 鶴岡八幡宮から鎌倉の大仏まで徒歩で40〜50分で移動できることが示すように、日帰りでも多くの観光地を見られることも鎌倉の魅力となっている。

毎日新聞 2023/8/13 09:00(最終更新 8/13 09:00) 742文字
https://mainichi.jp/articles/20230804/k00/00m/040/125000c