※2023/08/21 07:15
読売新聞

 建設や製造業など職場での熱中症による死傷者が増えている。高齢化などを背景に、2022年までの5年間はその前の5年間と比べて1・8倍に増加。厚生労働省は企業側に、熱中症の危険度を示す「暑さ指数」を活用した対策を促すが、十分に浸透しておらず、今後、初の実態調査を行うなど取り組みを強化する。

「28」以上で休憩

 「今日は暑さ指数が30度になるという予報が出ています。水分や塩分を補給して熱中症を予防しましょう」。7月24日の朝、千葉市内の建設現場。強い日差しが照りつける中、大成建設(東京)の担当者が、約100人の作業員に呼びかけた。大型ビジョンには、警戒が必要な水準である「27度」の指数が映し出されている。

 この現場では、大学の講義棟を建設する作業が行われている。安全確保のため、作業員はヘルメットをかぶり、長袖、長ズボンが欠かせない。直射日光や足元のコンクリートからの照り返しもあって、熱中症への厳戒が必要だ。

 作業員(69)は「湿度が高いと、汗がなかなか乾かず熱が体内にこもってしまう。年を取って暑さに弱くなったと感じる」と話す。

 同社では、20年頃から全ての建設現場で、暑さ指数を把握する取り組みを始めた。この現場では、午前10時時点の暑さ指数が28度以上になると、1時間に10分の休憩時間をもうけるなどの対応を取っている。

 現場責任者(44)は「作業員の年齢層が上がっており、熱中症のリスクは高まっている。危険と隣り合わせの職場で、暑さ指数を有効活用していきたい」と語った。

死傷者1・8倍

続きは↓
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230821-OYT1T50037/