※8/24(木) 16:00配信
毎日新聞

 25歳の娘が家を出る時、いつも通りに「いってらっしゃい」と声をかける。それが、つらくてたまらないと夫婦は言う。「娘が何をしに行くか、分かっていながら見送るんです。地獄ですよね……」。娘は行き先を言わないが、2人は知っている。収入を得るために働く性風俗店か、そうでなければホストクラブだ。

 ◇「どうも娘が風俗店に…」

 我が子がホストクラブに通い詰め、多額の借金を背負ってしまったと悩む親が増えている。東京・歌舞伎町に事務所を構える公益社団法人「日本駆け込み寺」には今年に入って、50件近い相談が寄せられている。

 「娘から何度も借金の肩代わりを頼まれた」「どうも娘が風俗店に勤めているようだ」「そもそもホストクラブがどういうところか分からない」

 前代表で理事の玄秀盛さん(67)は「これほど相談が絶えないのは明らかに異常」と話す。新型コロナウイルス禍が始まる前、こうした相談は年に数件だった。

 25歳の娘と向き合う夫婦も7月以降、何度か相談に訪れた。妻は専業主婦、夫は会社勤めでいずれも50代。東京近郊に住んでいる。娘が1年半で歌舞伎町のホストクラブにつぎ込んだ金額は1000万円。夫婦が肩代わりした分だけで800万円を超える。

 初めて娘のホスト通いを知ったのは2022年の年明けだった。「借金が80万円あり、返済のためにお金を貸してほしい」と相談された。ホストクラブへの支払いのために消費者金融から金を借りたという。

 会社員だった娘は、月々の給料から返すとも言った。その年の夏にも同じようなことがあった。「はまったわけじゃない」と言われ、2度とも頼まれた額を貸した。

 しばらく止まっていたホスト通いが再び始まったのは、23年に入ってからだ。職場の人間関係や残業、ストレスから再び足が向いたようだった。娘はやがて会社も辞めた。

 ◇お互いに「どうしていいか分からない」

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★ 2023/08/26(土) 09:10:02.53