2023年8月26日 06時00分

 同性愛者だと暴露された一橋大の男子大学院生が2015年8月24日、学内で転落死してから8年。性的指向や性自認を本人の同意なく暴露する「アウティング」を禁止する条例が全国に広がっている。一橋大の地元・東京都国立市を皮切りに、現在の施行自治体は20超。国立市の担当者は「アウティングが命や居場所を奪うという認識や理解が浸透しつつある」と話す。(奥野斐)

 アウティング 性的指向や性自認などを本人の同意なく第三者に明かすこと。一橋大生の転落死を機に社会問題化した。2020年施行の改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)では、パワハラの一種に位置付けられ、事業主に防止義務が課せられた。今年7月には、東京都豊島区内で勤務していた男性が、上司によるアウティングが原因で精神疾患を発症したとして、労働基準監督署から労災認定されたと公表した。

◆「繊細な個人情報」善意や無意識だったとしても…

 「何人も、性的指向、性自認等の公表に関して、いかなる場合も、強制し、若もしくは禁止し、又また(また)は本人の意に反して公にしてはならない」。18年4月施行の「国立市女性と男性及び多様な性の平等参画を推進する条例」だ。制定に携わった市長室長の吉田徳史のりふみさんは「前提となるのはカミングアウト(公表)をするかしないかは個人の権利である、という認識」だと強調する。

 一般財団法人地方自治研究機構(中央区)によると、アウティング禁止などを盛り込んだ条例は全国の少なくとも25区市町にある。埼玉、三重県は県の条例で定める。

 杉並区は今年4月に施行した「性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例」に禁止規定を盛り込んだ。担当者は「アウティングは当然あってはならないもの、という理念をふまえた」と話す。

 一橋大法科大学院に通っていた男子学生が8年前、同級生ら約10人のLINEグループにゲイだと書き込まれて心身に不調をきたし校舎から転落死した問題では、男子学生の遺族が大学などに損害賠償を求めて訴訟を起こした。東京高裁は20年11月、請求は棄却したもののアウティングを「人格権ないしプライバシー権などを著しく侵害する許されない行為」と認定した。

 一橋大で追悼の活動を続けてきた院生の本田恒平さん(28)は「事件を風化させまいとやってきた。善意や無意識で言ってしまうという場合があるが、その行為がいかに相手の居場所を奪うか。条例をきっかけに、繊細な個人情報だという認識や問題への関心がより広まれば」と期待する。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/272605

★1:2023/08/26(土) 08:31:49.65

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【東京新聞】ゲイ暴露が「いかに相手の居場所を奪うか」 一橋大院生の転落死から8年、全国に広がるアウティング禁止条例 ★3 [nita★]
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