【シリコンバレー=中藤玲】米アップルは29日、日本時間9月13日午前2時(米西部時間12日午前10時)から米カリフォルニア州の本社で特別イベントを開くと発表した。オンラインでも配信がある。「iPhone15」シリーズとされる次期スマートフォンなどの発表が予想されている。

アップルは近年、年末商戦に向けてこの時期にiPhoneなどの新機種を発売することが多い。複数の米メディアやサプライヤーによると、「iPhone15」とされる次期シリーズでは欧州連合(EU)の規制に合わせて充電などに使う端子を「USBタイプC」に全面移行するほか、カメラ性能の向上や、上位機種ではディスプレー周囲の枠をより細く見せるデザインの採用などが見込まれている。

ウェドブッシュ証券はiPhone15シリーズの平均販売価格が925ドル(約13万5000円)に近づくと予測し、1年半前の平均単価より約100ドルの値上がりになるという。iPhone利用者の約25%が同じ端末を4年間使っているという試算もあり、その買い替え需要を取り込めるかが焦点だ。

米調査会社IDCによると、4〜6月のスマホの世界出荷台数は8四半期連続で前年割れとなった。世界的なインフレや景気悪化懸念も背景にあるが、市場全体の課題として、カメラ性能などの技術革新の余地が狭まってスマホの買い替えサイクルが長期化している。

2023年の市場規模は10年ぶりの低水準になるとの見方もあり、高いシェアを持つiPhoneの新機種の動向が注目される。

日本経済新聞 2023年8月30日 5:07
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29CX80Z20C23A8000000/